キッドの回想

背後：なんというか、腕が痛
ミリア の慈悲の聖槍未完成！
城田 のフレイムキャノン！
ミリア：背後さんのいじわるっ！『何もない日』に動かしてくれないなんてっ（涙）
城田：蜘蛛と戦いたかったぁっ（ガトリングを振り回し）
背後：し、仕方なかろう・・・引越しのバイトが入ったんだし・・・（煙を上げながらも起きようと努力）
城田：とゆー事は、お星様が降ってきて私のＢＵがっ（腕突き上げ）
背後：いや、既に星はあるし―絵師さんが決まらないだけで。
　　　ミリアで闘技場のチーム作ろうとは思うものの、名前の案が無いって言う問題もあるし（ため息）
ミリア：でも、チームを１回作った程度じゃ、目標には届きませんよ？（人形をピコピコ動かしながら）
　　　　―背後さん、これってもしかして…？（メモを示し）
背後：うん、ちょっと―実体験を元に。一部の人は忘れたいだろうから、細工して。

目を閉じてみる―光のない、夜のような暗さがまわりに広がっている。
一呼吸して、目を開けてみる―目を開けているのか閉じているのか、わからないような暗闇が広がっている。
しばらく安静にしているせいか、自分の心臓ですら動いてるかどうか分からない。
死んでも意識があれば、こんな感じだろうか―そう思って、ふと疑問が浮かぶ。
<font color="#00008b">「父さん、人が死ぬと魂が抜けるんだよね？その魂って、どこに行くの？」</font>
真っ暗な場所―『売り物』の野菜と、それを守るための藁の隙間―から、御者席に向かって聞いてみる。
「ん？もし、ストライダーもヒトもエルフも、同じ場所に行くとすれば―」

―ふと、昔の記憶が脳裏に浮かんだ。
そのとき、どう答えられたか忘れたが―『答え』が近付いてる気がする。
橋が崩れたときに、左腕を骨折したが・・・既に痛みに麻痺したのか、ほとんど何も感じない。
アンデッドに攻撃されて、脚や背中を怪我したが、こちらも痛みがぼやけている。
いや、違う。意識が遠のいて―。

意識が、遠のいて―いかなかった。
むしろ、意識はさっきよりしっかりしている。痛みがないのが、疑問だが・・・。
少なくとも、手も足もついてる。違和感が若干あるものの、橋が崩れる前と大差な―いや、大差があった。
「なんで、戦ってる僕を戦ってない僕が見て―」
ふと、思い出した。
戦場になったこの場所は、地獄―全ての死者が、アンデッドになる場所。
１つの仮定が事実とすれば、痛みが無いことももう１人の僕が戦っている事も、疑問や違和感の全てに納得がいく。
しかし、その仮定を認めるということは・・・。
「ま、認めても認めなくても、遺書の処分はできないし。」
書いて捨て忘れた遺書を思い浮かべて、自嘲の笑いを浮かべたが―誰にも、届かなかった。
いや、元々誰かに届けるものではないはず―なら、これでいいかもしれない。
そう思ったとき、誰かに呼ばれて―引っ張られた。